目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

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11月

松ぼっくり通信 2018年 12月号

けがを振り返って

私事ですが入院中にこれを書いています。ジョギング中に突然かかとに衝撃が走って歩けなくなり、骨折の診断で手術を受けたところです。治療として何をどんな理由でやるのかはわかっていますから、落ち着いていられると思ったら大間違い!するのとされるのでは全く違いますね。クリニックに来院された患者さんにはご迷惑をおかけします。入院中に思ったことを書いてみました。

1 なぜけがをしたのか

3年ほど前から右のアキレス腱の痛みがあり、走ったり走れなかったりという時期が続いていました。最近少し良くなってきたのでハイキングに出かけたり、ウォーキングの距離を伸ばしたり、短い距離のジョギングを繰り返したりで、秋のマラソン大会に備えていたのですが・・・後悔先に立たずとなってしまいました。自分ではやりすぎとは思っていなかったのですが、やはり自分のことを客観的に見ることは難しかったのでしょう。

反省すべき点は①年齢による影響を考えなかった。以前と同じことをしているのだから、それほどやり方を変えなくていいと漫然と考えていた②もう少し身体の状態をこまめにチェックすべきだった。自分には判断が甘くなったのかもしれません③どこかで「自分はだいじょうぶ」と思っていたふしがあります。

こうやって一つづつ挙げてみると、私が患者さんにふだんお話していることばかりでまったく恥ずかしいかぎりです。さて、これからどうするかというと、あきらめずにリハビリを続けて来年にはウォーキングあたりから再デビューを狙いたいです。ちょっとサイクリングもやってみようかな!

2 はじめて手術を受けました

整形外科医として人さまの身体にメスを入れ、麻酔のトレーニングも受けていたのに、やはりはじめての経験は不安でいっぱいでした。全身麻酔で患者さんが亡くなる確率は10万件に1件以下で、飛行機に乗って亡くなる確率より低いのは知っていましたが、いざ自分が受けるとなると(麻酔から覚めなかったらどうしよう?!)と心配になりました。浴衣のような青い上っぱりの下にオムツをつけさせられ、ガタゴト揺れるストレッチャーに身を横たえ、無影灯に照らされながら看護婦さんやドクターに上から覗かれます。マスクを被らされて深呼吸をするように言われ……気がついたら病室に戻るストレッチャーの上にいました。眠いねむい、何もする気がしない。病室に戻り2、3時間すると意識ははっきりしてきましたが、マスクをしている喉は乾くし、血圧計や心電図モニター、酸素分圧計、点滴台で寝返りもできません。ナースさんが来て必要なくなった装置を外してくれるまでの時間の長かったことと言ったら!

今まで治療する側で冷静に患者さんに手術の説明をしたり、外来で手術を受けた患者さんの話を聞いていいましたが、自分が受けるのは全く別の経験だと言い切れます。医療をする側から見れば何気ない身振りやことば使いが患者さんに影響を与えることも実感できました。またやりたいとは思えませんが、ほんとうに貴重な体験でした。

3 疲労骨折のこと

今回の骨折は実は疲労骨折です。前からちょっと痛かったけれど、走れるから走っていたのです。ちょっとつまずきかけて足を強めについただけで折れたのですが、疲労骨折とはこういうものです。先日実業団の駅伝大会で下腿の激痛で走れなくなり300メートルを膝をついて進みたすきをつないだ選手の話がニュースになりました。この選手もレースの直前までしっかり走れていたのに、本番のレースで骨折を起こしたのです。疲労骨折とはこんなものなのです。

外来で診る患者さんの中にも疲労骨折を疑わせる症状の人は意外に多いです。明らかにスポーツのやり過ぎ(中高の部活生や私のように)のケース以外にも、一見まったく普通に暮らしているのに疲労骨折っぽい症状が出てくるケースがあります。普段やらない運動を始めた、職場が変わり長く歩くようになった、引っ越しして坂道の上下が増えたくらいでもなる人はなります。普段の生活スタイルが大きく変わった時、股関節〜足のどこかが痛くなってきたら疲労骨折の可能性があります。

4 疲労骨折の治療

手術をするのは例外中の例外で、ほとんどは原因になった運動を休止すれば治ります。ですが仕事や住居を変えるわけにはいかないので、無理のかかる作業を減らしたり、衝撃の少ない履物を使い歩き方を工夫することも必要です。スポーツが原因の場合、患部に負担のかからないトレーニングをすることは可能です。そうやって体力を維持しながらつらい時期を乗り越えていくのです。今の私の課題がこれです。

 しかしながら治るのに時間がかかるのも事実です。軽くて1,2か月、長ければ半年以上かかります。その間、患者さんは(こんな調子で大丈夫なのかな?)(ほんとうに治るのかな)と不安でいっぱいなはずです。こんな時に「だいじょうぶだよ」と言ってあげられるように、もっと診察技術を上げていかなければいけないことを痛感しています。

ねりまインクワイアラー 141 ビル上の灯り

夜景を眺めると、煙突やビルの上にチカチカした明かりが見えます。これが航空障害灯で飛行機に危険を知らせるため設置されています。60mを超えると赤色、150m超えると白色ですが、高層ビルは四隅に赤色をつけるそうです。

松ぼっくり通信 2018年 11月号

心のわくを組みなおす

 長いこと患者さんを診ていると、からだの故障そのものより、その人の故障に対する受け止め方・感じ方が気になることがあります。打ち身やすり傷なら短期間で治りますが、年がいってからの故障は治りがゆっくりで、気長に付き合わなければならないことも多いです。同じものを見ていても、心に写る風景が同じとは限りません。よい風景が見えれば自ずとやる気もわいてきます。今回は考え方を扱います。

1 年齢と正直に向き合う

 若いときは体のことを気にしないし、少々の無理をしてもなんとかなるものですが、30・40代になるとどこかが痛くなったり不調を感じてくる人も多いようです。私自身も40代初めに体調を崩したときに、これを実感しました。でも、考えてみればいつまでも若い人はいないので、「今までこんなことはなかった」のは当たり前です。毎年毎年が人生で初めての経験なんですから。これを「あーあ私も年をとったんだ…」と考えて終わるより、「ここからはからだの手入れをしっかりしよう!」ととらえられれば、人生の大きな転機になります。むしろ早いうちに調子を崩したほうが、早いうちから体の手入れができるととらえましょう。

 ではよりご高齢の方はどうでしょうか?いくつになってもからだの手入れをすると、はっきりと効果があることがわかっています。年のせいと決めつけず、いくつになってもからだに気を配ることです。

2 運動できないと決めつけない

 手入れをするとは、運動、ストレッチのほか、食事・睡眠・アルコールやたばこの管理など生活全般を見直すことを指します。細かいことは省きますが、だいじなのは時間管理です。とくに体を動かす時間をどうやって捻出するかでしょう。「忙しくてそんな時間は取れない」とよく聞きますが、本当にまったく時間が取れないのか胸に手を当てて聞いてみましょう。

 少し早めに出て駅一個分歩くことはできないのでしょうか。会社内で階段を使うのは?休日に運動する時間はとれますか?早朝や帰宅後に10~20分あればストレッチや筋トレができます。お付き合いのパーティーや飲み会はほんとうに必要なのか、かわりにからだを動かしたほうがすっきりするのでは?と考えてみましょう。 子供が小さくて手がかかるから運動できない人は、夫婦で替わりばんこに30分ずつ運動する時間をとれないでしょうか?あるいは、家族で遠くの公園まで散歩するのはどうでしょうか。

 お酒や甘いものでストレス解消するのもありですが、それで体調を崩してしまったら問題です。運動のストレス解消効果はバツグンですから、ぜひ試してみましょう。誰にとってもふだんやらないことをやるには勇気が必要で、はじめの一歩はなかなか出ないものです。はじめの一歩、そして2週間はがんばってみます。そうすれば後は楽に続けていくことができるでしょう。

3 自分ができることをみつける

 けがや病気にかかった直後は、それ以上のダメージをおこさないように、また治癒力が十分にはたらくように安静にすることが必要です。少し良くなってきたら、今度は体のこわばりをとり、血液のうっ滞やむくみの改善のためにからだを動かすことが必要です。安静にしているあいだに弱くなってしまった筋肉を鍛えたり、固くなった関節をほぐすために運動が大事なのですが、動かすと痛むのもよくあることです。治してもらおうと思って病院に来たはずなのに、かえって痛いことをする!と感じるかもしれませんが、からだをすみずみまで自由に楽に動かせるようになるため、やることはやるしかありません。

 病気、交通事故、労災事故やスポーツの事故など、故障するいきさつは様々です。事故の場合、心にわだかまりを抱える人がいますが、事情に関わらずリハビリでするべきことは同じです。縮まった筋肉をほぐし、固まった関節をやわらかくするために、患者さん自身が本気で参加してリハビリを乗り越えていくことが必要です。そうしないと時間がもったいないです。誰にとっても一生は一度限り、早く治る努力をおしまないことです。

4 フォーエバー・ヤング

 ボストンマラソンで優勝を含む幾多の好勝負を繰り広げた伝説のランナー、ジョニー・ケリーは23歳から84歳まで計61回ボストンマラソンを完走しました。「フォーエバー・ヤング」は彼をたたえて作られた銅像で、27歳と84歳のケリーが手をつなぎながらゴールを切る姿をかたどっています。からだは年老いても心は若いことを、これほどよく表したものはないでしょう。

 絶対的な体力は年齢とともに低下し、様々な故障や不調に見舞われるのはさけられません。「花も嵐も踏み越えて」と歌われたように、人生の試練にめげず毎日をきちんと生きて、振り返ればこんなところまで登ってきた、よくここまでがんばったと自分自身でほめられるような生き方をしたいものです。それがヤング・アット・ハート(心の若さ)であり、だれでもその気になりさえすれば得られるものだと思っています。

ねりまインクワイアラー 140 IPad(アイパッド)くび

 IPadなどのタブレット端末を使ってくびを痛める人が増えています。なりやすい人は①女性②ひざにタブレットを置いて使う人だそうです。頭の重さは5キロぐらい、前こごみ姿勢で長時間使えば頭を支えるくびにかなりの負担がかかるからです。腕は疲れるけれど、タブレットを目の高さに上げて使うことがおすすめです。