目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

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松ぼっくり通信電子版
高野台松本クリニックの院長、松本不二生(ふじお)先生が体にまつわるあれこれを書いた松ぼっくり通信。読めばカラダに役立つ、読むサプリです

高野台松本クリニック 177-0035 練馬区高野台1-3-7NFプラザⅡ三階 
℡03-5372-7773

(整形外科・リハビリテーション科・漢方外来

松ぼっくり通信

松ぼっくり通信 2020年 7月号

目的別にトレーニング!

 コロナ緊急事態宣言のあいだ、みなさんはどう過ごされていたでしょうか?体力が落ちた。どこかが痛くなった。もう年のせいか?いろいろ考えてしまいますね。でも、あきらめずにトレーニングにとりくめば意外なくらい体力が上がってくるかもしれません。

1 からだが硬くなった

 毎日行っていた買い物が週一回になった。在宅勤務が増えた。コロナの影響で生活習慣にいろいろな変化が生まれました。診察して強く感じるのは、からだが硬くなった人が増えていることです。特別なストレッチをしていなくても使っているところはそれなりに柔らかさが続きます。使わないとどんどん硬くなるのは、からだを作っているコラーゲンというたんぱく質が縮まりやすいからです。

2 つまづいたり、転びやすくなった

立つ・歩く・座る・物を運ぶ・上げる・おろす。あたりまえにやっていることが実は大切です。仕事や用事のあるなしに関わらず、ひまがあったら体を動かしましょう。さらに柔らかくしたいときは、体操やストレッチをしてください。こまめにやればまた体はやわらかくなってきます。

 足が上がらなくなったのが原因です。股関節を前後に大きく動かす筋肉はももの付け根にありますが、この筋肉が弱ってきたからです。小刻みによちよちと歩くくせがつくと、付け根の筋肉を使わないのであっという間にそこが弱ります。

 手を振り、いつもより大股で、ゆっくりと歩く練習をしましょう。犬の散歩は、人の散歩の代わりになりません。犬とはべつに、自分専用の散歩を行いましょう。

3 階段で息が上がる

 心臓や肺の病気でない限り、筋力低下が原因です。年配の方は昔の軽自動車(360cc)で坂道を登った時を想像してください。車は必死で登っているのに、なかなかスピードが上りません。排気量が少ない車と同じように、筋肉量が少なくなると重力に抵抗する運動をしたときに非常につらく感じるのです。

 こういう人は筋肉を強くしましょう。まずたんぱく質を多めに摂って、筋肉がつきやすくします。つぎにスクワットや階段上りなど、足腰にややきつい運動を続けます。息が上がり、ぜーはー言うくらいでいいのです。急がず、ゆっくりとやるのがコツです。はじめのうちは駅やデパートの階段をつかまりながら上り下りするのもいいですね。慣れてきたら、階段をわざとゆっくり降りるのもいい足腰の運動になります。転ばないよう注意してください。

4 速く歩けなくなった

 筋肉には速筋と遅筋の2種類があって、年齢が高くなっても遅筋はあまり減らないのですが、速筋は減りやすいことがわかっています。速筋が減ると素早い動きをしづらくなるので、歩くのが遅くなったり、さっと足が出にくく転んだりします。 でも、年をとっても速く歩くことは可能です。実際に軽快なスピードで歩いている方がいっぱいいます。何がちがうのか?じつは「速く歩く練習をする」ことがカギです。なーんだ!と思ったかもしれませんが、これがトレーニングの「目的性」と呼ばれる考え方で、何を狙ってトレーニングをするかが大事なのです。たとえば3分速めに歩き、3分ゆっくり歩くを繰り返す。これを続けるだけで歩くスピードは速くなるはずです。

5 すぐに疲れるようになった

 貧血や栄養バランスの崩れのこともありますから、食事に注意してください。そうでなければ有酸素運動の不足が原因です。有酸素運動とはからだに酸素を取り込んで行う運動のことです。ウォーキング、サイクリング、ランニングやハイキングがこれに当てはまります(筋トレや100メートル走は無酸素運動と呼ばれます)。 有酸素運動を続けていると、体中の毛細血管が発達して全身の血行が改善します。また細胞内のミトコンドリア(エネルギーの発生装置)が活性化され、しだいに長い時間体を動かしても疲れにくくなってきます。しばらくからだを動かしていなかった場合、まずはウォーキングを1,2か月やってみましょう。週3,4日、30分くらいから始めて徐々に時間を伸ばしていきます。1時間くらい連続で歩けるようになったら、軽いジョギングをしたり、長めの街歩きやハイキングに出かけるのもいいでしょう。このくらいまでくると選択肢が広がっていろいろなことができるようになります。皆さんの好みに応じて、やりたいことにチャレンジしてください。

ねりまインクワイアラー 160 ウイルスは生物?

 生き物を大きい順に並べると、ヒトや樹木などの多細胞生物、アメーバや緑藻などの単細胞生物、細菌、そしてウイルスの順番になります。ウイルスは遺伝子であるDNAやRNAは持っていますが、細胞組織は持っていないため、じつは生物ではないのでは?という疑いがありました。現在では、ほかの生き物のからだにもぐりこんで相手の体を利用するために、遺伝子以外の成分を捨て去ったのがウイルスではないかと考えられています。ウイルス遺伝子の一部は寄生された生物の遺伝子に紛れ込み、そのまま受け継がれることがあり、ヒトの遺伝子でもウイルスの断片が入り込んでいるそうです。好き嫌いにかかわらず、ウイルスと生き物の付き合いは長く、複雑に絡み合っているようです。

松ぼっくり通信 2020年 6月号

手・腕のセルフケア

先日クリニックのスタッフに「小学生の時には学級通信をガリ版で作っていた」と話したら、「ガリ版って何ですか?」と聞かれました。デジタルネイティブ世代にとって、ガリ版は古代の道具のようです。楽になった世の中ですが、手や腕の故障は逆に増えている気がします。今回は上肢のセルフケアのお話です。

1 箱の前で8時間はつらい

今のほうがずっと便利になり、暮らしは楽になったけれど、腕から指にかけて細かい反復作業をすることが極めて多くなりました。とくにパソコン作業では長時間指先を動かし続けることで手や腕の筋肉に疲労が蓄積しやすくなり、故障の大きな原因になっています。昔の人に、「あなたの遠い未来のご子孫は、一日中四角い箱の前に座り、朝から晩まで木の板を指で叩き鳴らして暮らしています」と話したら、たぶん信じてもらえないでしょう。食べ物を得たりお金を稼ぐためには、文字通り手に汗流して働くことがあたりまえでした。原始時代からあなたの祖父祖母の世代まで、ほとんどの人はそうやって暮らしていたのです。だから、体の仕組みも汗水たらしながら動き続けることができるように設計されています。今よりずっと生活は厳しかったので、過労や栄養不足で病気になることが多く、寿命は縄文時代で30代、昭和の初めでも60代がやっとでした。

2 痛みは遠くで感じる

気が付かないような小さな故障も、チリが積もるように増えていくと、ある日どこかが痛い、腫れた、むくむといった症状になります。

ほとんどの場合で痛みはオリジナルの部位よりも遠くに飛びます。たとえば肩のつけ根の故障では痛みが腕~手に、前腕の故障では手首~指先に飛びます。

だから痛いところだけでなく、もっと体に近いところまであちこち触ってみましょう。押して痛むところがみつかったらそこが原因部位かもしれません。

3 か弱い筋肉にやさしく

もともと前腕から手のひらまでの筋肉は細かい作業をすることに長けていますが、疲れやすく持続的な力仕事には向いていません。力仕事には肩の筋肉が向いています。こういった筋肉の特徴を生かして体を動かすと故障しにくくなります。たとえばぞうきんを絞ったり、固いビンのふたを開けるとき(図)、手首を動かそうとせずに肩の力で手を動かすと楽です。また、腕は2,3キロの重さがありますから、宙に浮かして作業するよりも、クッションのような支えに乗せて重さを取り払ったほうが楽に動かせます。こうすることでキーボード操作など上肢を伸ばしたまま細かな動きをする作業でも疲れにくくなるでしょう。

(図;矢印のようにてくびをひねると痛めやすいです。手首を動かさず、肩から腕全体を動かしましょう)

4 マッサージとストレッチをこまめに

手・腕の故障の大半は筋肉の疲労が原因でおきます。筋肉は前腕と手にあって、手首と指にはありません。だからマッサージは手と前腕にします。手のひらだけでなく手の甲(骨と骨のすきま)を反対側の手の指先で押します。親指だけでなくほかの指も使って、ゆっくりとリズミカルにやってください。

押して痛いところはもちろん、こった感じがするところもマッサージしてください。1回数分でいいので、一日6-7回行うとベストです。

前腕の筋肉のストレッチも効果的です。反対側の手で手のひらをつかみ、手の甲側を伸ばし、次に手のひら側を伸ばします。筋が伸びる感じがして、かすかに痛いくらいまで伸ばします。これも一日数回やると効果的です。   すぐには効果を感じないかもしれませんが、毎日続けると痛みやこわばりが軽くなるのを実感できるはずです。

ねりまインクワイアラー 159 ガリ版とは

正式には謄写版(とうしゃばん)と言って、ロウを引いた和紙を鉄筆で削り、インクでをつけて擦ります。きわめてローテクですが、味わいのある絵が描けます。現在でも愛好家・プロの作家さんが活躍されています。

松ぼっくり通信 2020年 5月号

スポーツのけがとリハビリ

 毎年6月に練馬医学会・公開講座が開かれていて、今年は私が発表する予定でした。新コロナウイルス騒ぎで中止になったので、ここでミニ発表会をやってみることにしました。

1 オーバユース(使いすぎ)により生じた踵骨裂離骨折のてんまつ

私自身の経験です。約5年前より右側のアキレス腱部痛があったのですが、おととしの10月末、ジョギング中に突然右踵に衝撃を感じて走れなくなり、タクシーに飛び乗り病院を受診しました。そのまま入院、翌日手術を受けました。以来4か月の間、ギブスや装具をつけ、松葉杖を使って暮らしました。はじめのうちは折れた側の足をまったく地面に着けなかったので大変でしたが、装具になってからは部分的に足をつけるようになってだいぶ楽になりました。

 4か月ぶりにウォーキングができたときはほんとうにうれしかったです。ゆっくりとしたジョギング、歩きながらのちょっとだけランニングと練習していき、けがより約6か月後にフルマラソンを完走(半分歩き)、12か月後に競歩大会を完歩、16か月後に30キロマラソンを完走(ラン)できました。

2 踵骨裂離骨折とは

 かかとの骨にはふくらはぎをつないでいるアキレス腱がついています。ふくらはぎの筋肉がアキレス腱をひっぱると足で地面をけることができます。だから走るときにだいじな部分なのですが、それだけに無理もかかりやすいのです。もともと調子が悪くてかばった走り方をしているうちにかかとの骨にひびが入り、ついには割れてしまったのでしょう。

左は今のレントゲン写真:アキレス腱と骨を留めるためにかかとの骨に金属のピンが埋められているのがわかります。空港の金属探知機にひっかかるかもしれませんね。

3 スポーツ障害の予防で必要なこと

(さらに…)

松ぼっくり通信 2020年 4月号

 不快・不安と向き合う

 医学部の学生の時です。ある日腹痛と下痢を発症し、通学の電車を何回も下車してトイレに駆け込みました。次の日からほぼトイレにすわりっぱなしとなり、脱水対策の塩をなめながら数日すごし、落ち着いてからよろよろと通学先の大学病院を受診しました。

 内科の教授が診てくれました。自分の考えではアメーバ赤痢かもしれないと説明すると、「君は最近熱帯地方に行ったのかね?」と聞かれ、「まったくありません!」「じゃ、なんか生ものでも食べなかった?」「前の日に居酒屋でサケのルイベを食べました!」「たぶん食中毒だねえ。薬出しとくから飲んどいてね」ということで無事良くなりました。

 典型的な「生兵法はけがのもと」でしたが、本人にしてみれば笑い事ではなく、ほんとうに死ぬんじゃないかと思いました。ずっと家の中に一人でいて、塩をなめながら家に置いてあった「家庭の医学」を読み込むうちに不安をふくらませてしまったのです。今回はからだの症状そのものより考え方を扱います。

1 不快・不安はあたりまえ

 先を見通せないジャングルの中。かさかさと葉のこすれる音が聞こえ、茂みの奥では何かが動いたようだ。毒蛇や猛獣を気にしながらゆっくりと進むが、足もとで「ポキン!」と音がした瞬間、頭上で何かが叫んだ!

 こんな状況ではだれでも不安を感じるはずです。ほんとうの危険が起きる前にあらかじめ危険の可能性を予測する。いざというときに対応できるように心も体も準備しておく。この危険対応モードが不安の正体です。

 いっぽう不快は文字通りからだにいやな症状があることで、問題が起きていると知らせてくれるアラームサインです。痛いところをかばったり、体調不良で寝転がったりするのはアラームサインがあるからできることで、不快・不安ともにからだに必要な機能だといえるでしょう。

2 不安のメカニズム

 不安のように目に見えないことを調べるのはとても難しいのですが、脳科学の進歩からいろいろとわかってきました。不安がとても強い人たちの場合、脳の狭い領域で考えがぐるぐるとうずまいていて、ほかの領域に刺激が広がっていかないことがわかりました。とくに偏桃体という不安や恐怖に関係する部位が活発に働いていて、「落ち着いて考える」領域に刺激が広がっていかないことがわかりました。

 このことからわかるのは、いつも同じことを考えつづけるよりも、多彩な刺激を脳に与えることで脳のいろいろな部位を働かせることが脳の健康にとても大切だということです。不安(危険対応モード)はあくまで非常モードですから、ずっと続けていたら心も体も疲れてしまいます。原始時代に発達した危機対応用の脳の仕組みを、今の暮らしに合うようにうまくコントロールする必要があるのです。

3 不安と向き合う

 不安が続くときに自分でできることは二つあります。一つは正直に不安と向き合うことです。何に対して不安を感じているか考えてみます。落ち着いて考えるには、口に出して言ってみる、紙に書き出してみるなど頭の中身を一回おもてに出してみるといいでしょう。だれかに話してみるのもいいですし、日記を書くだけでも不安が軽くなります。不安を感じる理由は一つではないことが多いので、できるだけ具体的に箇条書きにするとわかりやすいです。つぎに自分ができることを探します。案ずるは産むがやすしで、すぐにできることはやってみましょう。ちょっとしたことが意外な発見・安心をもたらしたりします。

 二つ目は今の気持ちにばかり集中しない、させないことです。先に書いたように、気持ちがぐるぐるとせまいところを回り続けるのはいいことではありません。何かを楽しんだり面白がったり、味わったり感動したり、あるいはしんどいとかすっきりとか感じる心の領域が誰にもありますから、そこを刺激すれば脳のバランス=心のバランスが回復していきます。小さいことでいいので、今の生活からちょっとはなれた何かをやってみる・経験することです。

4 コロナウイルスと私たち

 いまコロナウイルスの話が私たちの心に重くのしかかっています。大事な情報を入手して、できる予防策を行うのは大切なことです。現在までの報告で、屋外で人が密集しない環境では感染の危険がまずないと考えられていますから、かぜ気味や花粉症の方でなければ、外出して散歩することをお勧めします。不安ならマスクはつけたままでよいと思います。2,3週動かないと体力や内臓機能も落ちてきますし、日光を浴びることで体内合成できるビタミンDは免疫機能に大切な働きを持っています。自然のエレメント(風、陽ざし、花の色・香り、音、雲の動きなど)で五感を刺激し、心のバランスを取り戻しましょう。

ネット、SNSを見る時間は最小限にして、好きな本や映画を見たり、楽しいテレビ番組を見るのも手です。SNSでもインスタグラムやピンタレストは明るい内容が多くておすすめです。先が見えないと不安を感じるのは当然ですが、出口のないトンネルはありません。ここは気持ちをしっかり持って、みんなで乗り切りましょう。

 

ねりまインクワイアラー 157 なわとび

 マラソン大会がぞくぞくと中止になり途方にくれました。そこで妻がやっているなわとびに、私もチャレンジしてみました。これがキツイ‼100回もつづけるとぜいぜい言います。キツイということは効く‼けがで弱ったふくらはぎもばんばん張ってきました。しばらくやってみることにしました!

 

松ぼっくり通信 2020年 3月号 

役立つストレッチ

18歳のときスキーで膝をひねって以来、左下肢の重苦しい痛みが残っていました。35歳のときにストレッチを始めて半年たったころ、痛みが消えていることに気づきました。それからずっとストレッチの信奉者だったのですが、なんでもストレッチが効くか?というとそうではありません。今回のお話です。

1ストレッチのコツ

ストレッチはたしかに効きますが、効かせるにはコツがあります。①ゆっくりと②伸ばすところの力を抜いて③ちょっと痛いくらいで④少し長め(20秒くらい)でやりましょう。毎日やったとして、伸びてきたと実感するには2,3週はかかるでしょう。筋肉が原因で感じる痛みやしびれはもう少し長くかかるかもしれません。おすすめの回数は週2回くらいから毎日までいろいろですが、わたしは毎日を勧めます。そのほうが習慣になってやり忘れが減ると思います。経験上、1日1回で十分なのですが、2,3回するとより効果が感じられるかもしれません。
一例として、私もやっている真向法(まっこうほう)をQRコードで紹介します。

2ストレッチの種類

大きく二つに分かれています。一つは静的なストレッチで、静かにゆっくりと筋肉を伸ばす方法です。一般的なストレッチ法で、先に挙げた真向法もこれに入ります。
もう一つはダイナミック・ストレッチと言って、動かしながら行うストレッチ法です。細かく分けるとリズミカルに動かす方法(バリスティック・ストレッチ)やPNFなどいろいろあるのですが、動かしながらストレッチをするという点で共通するやり方です。 ストレッチといえば静的なストレッチだと誰もが思っていたのですが、ここ十年で話が変わってきました。

3アンチ・ストレッチ派の逆襲

永いこと、ストレッチは体にいいということに誰も疑問を持つことはありませんでした。ところが少し前から静的なストレッチをスポーツの前(試合の直前)に行うとパフォーマンスが損なわれるという主張が出てきました。調べると確かにその通りで、静的なストレッチを行った直後は瞬発力・筋力が下がることが明らかになったのです。
そこで「ストレッチは体に良くない」という意見が出てきましたが、これはちょっと極端だったようです。スポーツをする直前に静的なストレッチを行うのは良くありません。しかしリズミカルにからだを大きく動かすダイナミック・ストレッチをスポーツの前に行えば、ウォーミングアップになると同時にからだの柔軟性向上に役立つことがわかってきました。
では、ゆっくりとからだを伸ばす静的なストレッチは不要なのでしょうか?いえ、そんなことはありません。はじめに書いたように筋肉痛の改善につながるだけでなく、姿勢のくずれを治し、腰痛や肩こりを軽くします。手足が楽に動かせるようになりますから、スポーツの動きが上手になり、けがや故障も少なくなります。つまり日ごろはゆっくりとしたストレッチを行い、運動の前には大きく体を動かすダイナミック・ストレッチをするのがベストです。

4ストレッチの注意点

ストレッチに慣れてきたころ、足を大きく開いて前屈するストレッチ(真向法第3法)をしているときに腿の付け根にぶちっと衝撃が走り、肉離れを起こしてしまいました。ちょっと痛いくらいのほうが効くと書きましたが、なにごともやり過ぎは禁物です。筋肉の柔軟性は日々変化します。からだの反応を感じながら加減して行いましょう。
ストレッチを続けていたのですが、あるとき太ももうらの痛みがでてきて、座ったり走っているときに自覚するようになりました。ストレッチをさらに懸命にやっても、むしろ痛みが強くなった気がしました。考えた末、ストレッチを3か月ほど止めてみました。なんと!これで痛みが完全に消えてしまったのです。からだの仕組みは複雑です。良かれと思ってすることが必ず体のためになるとは限りません。アタマをやわらかく使うこともだいじです。
若々しさを感じさせる動き、はずむような身のこなしはどこから生まれるかというと、体中の筋肉が文字通りバネのようにはたらいて、力を瞬時にためて即座に放す!動きをしているからです。ゆっくりしたストレッチだけではこの機能を鍛えられません。けがや病気で体力が低下した人がリハビリをするとき、ストレッチや筋トレだけでは回復がいま一つなのはこれが理由です。私もリハビリ中ですが、やわらかく機能的な筋肉にするためにダイナミック・ストレッチをもっと取り入れねばと考えています。

 

ねりまインクワイアラー 156 ホーソン効果

 1924年、アメリカのある工場で照明の明るさが作業効率に与える影響の調査が行われました。作業場を明るくすると効率が上がりましたが、ものの試しに前より暗くしてもやはり効率が上がったのです。

この一見なぞのような現象は、工場の名前をとってホーソン効果と呼ばれています。ヒトはどんな形にせよ、注目されるとがんばって結果を出します。ある病院で金属のバンドを手くびに巻いたら患者さんの転倒事故が減ったという報告を聞いて、これを思い出しました。日本の有名なテーマパークで、実際にこの効果を職員管理に活用しているそうです。