目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

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11月

松ぼっくり通信 2017年 11月号

運動のすすめ

これを書いている今、マラソン大会の後なので、あちこちに痛みや張りが残っています。どこにどんな張りがあるにかで、走り方が良かったのかいまひとつなのかわかります。回復のスピードで、練習不足や体調はどうだったのか見当がつきます。運動が体に良いけれど苦手と感じている方もいるでしょう。苦手にしないためにどうすればいいのでしょうか。

1 「おだいじに」の過ち

医学の歴史は絶えずまちがいを正すことで進歩してきました。運動に対する考え方もその一例です。からだの調子が悪いとき、まずは安静にして回復を待つ。一見すると正しいようですが、急性期を過ぎれば、むしろからだを動かした方が調子が良くなることが多いのです。動くことによって血行が良くなり、消化器は活発に蠕動し、神経系のバランスが整います。筋肉を動かすと、筋肉そのものからさまざまなエンドカイン(ホルモンのなかま)が出て、脳や免疫系に刺激を与えます。

以前はさまざまな慢性病に対して安静がすすめられました。結核のような胸の病、心臓病、腎臓病など、運動をすると疲労を招き病気を進行させると言われる病気がたくさんありましたが、現在では適度の運動は病気の回復のために必要なことが分かってきました。長期にわたる地味な調査や厳密な実験結果が積み上げられて、ゆっくりと、しかし着実に運動の効能がわかってきたのです。

ではありますが、「おだいじに」の言葉のように、まだまだからだの不調時に安静というイメージは拭えていません。「アルプスの少女ハイジ」に出てくる車椅子の少女クララは典型的です。クララが初めて勇気を出して一歩を踏み出そうとするシーンは感動的ですが、現代のようにもっと早くから歩行訓練を開始していたら、車椅子はいらなかったのに・・・とも思います。

2 運動のめやす

からだが故障していても気にせず、ガンガン運動しろということではありません。たとえば心臓病や腎臓疾患の場合、ウォーキングが良いことが調査で明らかなものの、ランニングまで行くと少しキツすぎるとのことです。こういった研究では全般的な傾向を調べますから、一人一人の病気の度合い、もともとの体力差などは統計のすき間に隠れてしまい、「歩くといってもどれくらいのスピードで?」「若い人と年配の人のちがいは?」といった質問には答えてくれません。今のところは軽く汗ばみ、息が上がらない程度の運動ならオーケーと考えてください。

もう一つ、軽い故障があるときに、運動はつづけてもいいのでしょうか?答えは「運動を一定期間続けても、わずかずつ症状が改善するか現状維持なら続ける。徐々に症状が強くなるなら、中止して様子を見る」ことです。いつもベストの体調でいるのはムリです。花も嵐も踏み越えて、ちょっとタフな気持ちで運動を続けることも必要です。

 3 「そのもの」を楽しむ

もともとの体力がどのレベルであっても、続けていけば必ず体力が向上し、前にはムリだと思っていたことができるようになり、ここまできたか!と実感できるようになります。そうなるとうれしくて、さらに先に進みたいと思うはずです。一人で運動を続けるのも十分楽しいですが、同じ運動をするなかまと交流することがまた楽しみの方も多いと思います。

ゲームの勝敗や記録の向上も良い刺激になる一方、それにこだわりすぎるのは考えものです。勝負は時の運、体調や天候などで結果は変わってきます。また年齢を重ねれば、若いときと全く同じとはいかなくなります。それでも運動を楽しみにできます。一挙手一投足に最善を尽くし、勝ち負けを超えたところで技を極め、動きそのものを楽しむことができれば深い満足が得られるはずです。

4 初めの一歩

ゼロと1の間は、1と10の間よりも大きい。これは運動指導の際に、私がスタッフにアドバイスしている言葉です。長い間まったく運動をしていなかった人が、週に一回、10分運動するようになったら、これはすごいことです。さらにそれを長く続けていけば、動くこと自体が楽になり、しだいに運動量は増えていくことでしょう。初めの一歩を踏み出すには勇気が必要で、おおげさに表現するなら自分の生き方を変える始まりになります。その一歩エライ !! と自分を褒めてあげましょう。何年先になるかはわかりませんが、あなたはなりたい自分に近づく一歩を踏み出したのです。

ダイエットが目的で運動を始める人には耳寄りな話があります。運動をした後、数時間のあいだは新陳代謝が高まる(EPOC:エポックと言います)ことがわかっていて、こまめに体を動かすだけでカロリーを消費しやすい体質になっていきます。いきなりきつい、つらいことをしないで、こんなものでいいのかな?と思うくらい軽めの運動からまず続けてみてはいかがでしょうか。

 

ねりまインクワイアラー 130 歩行スピード

高齢者の歩く速度を比べてみると、10年前より明らかに速く歩いていることがわかっています。これは若い人でも同じで、昭和30年代にはみんなもっとゆっくり歩いていたようです。ゆっくり、長い時間歩くということは、生活も今に比べのんびりだったのかな。みなさんの思い出はどうですか?