目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

03-6908-3434

〶161-0033
東京都新宿区下落合3-2-16池龍マンション401

04月

松ぼっくり通信 2021年 5月号

リハビリ できること・できないこと

 クリニックのホームページにも載せていますが、「リハビリをしてほしい」と相談を受けてもお受けできないことがあります。健康保険の仕組み、適応の有無、設備・人員の問題やリハビリそのものの限界など理由はさまざまですが、お役に立てないと判断したら正直に伝えています。でもどうしてなのかわかりづらいですよね。今回のお話です。

1 リハビリって?

 一言で言うと「元気になる手助けをする」ということです。うちのクリニックでは、ストレッチ・マッサージ、かんたんな体操や筋トレの指導、姿勢や歩き方のチェックなどがメインとなっていますが、元気にするきっかけになるならほんとうは何でもいいのです。病院によっては電気や牽引器などの物理療法や、PT(理学療法士)さんの運動療法が中心のところもあるでしょう。  ただ世過ぎをするからには、お上の声を聴かなければなりません。医療に関する法律・規則を守り、指導も受けています。私たちの場合、筋肉や関節を中心とした手技療法に重きを置いているので、形の上では「消炎鎮痛処置」(医療費明細書の項目)をしていることになります。できることはしているつもりですが、公定治療費が安価な分①短い時間でも効果が出るように細かく分けて治療②患者さんができることはしてもらうためにストレッチやマッサージの指導をする、といった工夫をしています。

2 リハビリの得意分野

  • かたいものをやわらかく、縮まったものは伸ばす・・・手技療法(マッサージ・ストレッチをふくむ)でできることです。細かい説明は省きますが、これでかなりのことができます。やわらかくてしなやかなからだは健康の要諦と言えるでしょう。良くなったら、自分でストレッチに取り組みましょう。

  • 弱ったものを強く・・・筋トレや体操です。ただし、教えることはできても、やるかやらないかは患者さんしだいで、指導力が問われます。とくにご高齢の方では苦労するところです。リハビリはやったらやっただけ結果が出てきます。努力が実を結ぶ分野。

  • カンを取り戻す・・・姿勢・歩行・動作指導、およびその反復練習など。中枢神経系に良い動きができるように刺激を与えます。ここはもう少し時間がかけられたらいいのに…と思っています。

  • 発想の転換・・・押してもだめならひいてみる。こうしなきゃと思っていることをほんとうにそうなの?と考えてみる。がんばっていたのを肩の力を抜いてみる。この手がダメならあの手を使ってみる。やわらかい発想でつらい時期を乗り越えると意外と元気になるものです。

  • できること、できないことを明らかにする・・・根性!努力!ですべてが解決するわけではありません。故障の具合、年齢、収入や住環境など、条件に合わせてできることを探します。あきらめるのではなく、一歩でも幸せに近づく道を探す。むずかしいけれどこれがリハビリの本道です。

3 困る相談とは

 これはちょっと⁈と思う相談を挙げてみます。

  • 疲れたので、もんでほしい・・・健康保険で禁じられています。自費の治療院に行ってください。

  • 希望の治療をしてほしい・・・診断上ベストの選択をします。医学的にむりな(有効でない)治療だと判断すれば、そう伝えます。

  • マヒを治してほしい、むかしの状態に戻してほしい・・・気持ちはわかるのですが、やはりできないことはそう伝えるしかありません。ただし、いままで見落としていた点を見つけて症状を軽くする、動きやすくすることはできるかもしれません。

  • くすりやマッサージで歩けるようになりたい・・・自ら汗をかくことは、リハビリで欠かせない部分です。筋力をつける、体力をつけるのは絶対にくすりやマッサージではできません。が、意外と多い相談です。

4 柔軟に粘り強く

 大学にいたころ、わたしは脊髄損傷の治療の研究をしていました。脳やせき髄の中枢神経系は一度傷つくと戻らないと言われていましたが、それを何とかできないかと考えていました。でも現実には治らない患者さんを多く見送るうちに(もっと何かできないのかな)と考えるようになり、リハビリの世界に目を向けるようになりました。当時高名だったドクターが「リハビリはネバー・ギブ・アップ!です」と言ったのに感動し、紆余曲折を経て今に至りました。

 小さいクリニックですが、現在の仕事は気に入っています。医者としての戦闘力はおそらく何倍も高くなっているはずです。毎日の外来で見つかる小さな課題を、これからも粘り強く探求していくつもりです。

ねりまインクワイアラー 169 コロナこれから

 コロナ対策がいろいろおこなわれていますが、若い人たちの生活・収入・学業・楽しみを強く押さえつけている印象です。外来で相談を受けていると、屋内閉じこもり、運動不足や交流の制限で調子を崩している人たちもいます。なんとか乗り越えてほしいですが、早晩方策の再検討・改善が必要と思います。

松ぼっくり通信 2021年 4月号

靴の苦労とじょうずなおつきあい

 だいぶ前のことですが、靴で苦労したことがあります。安売りの靴店で買った革靴を履くと、10分も歩かないうちに痛みが出ました。冠婚葬祭のときしかはかないのでしばらくしんぼうしたのですが、ついにがまんできなくなって新しい靴(ブランド品)に買い換えました。するとびっくり!全然痛くありません。今でもその靴を履いていますが、靴ってこんなにちがうのだと改めて実感しました。今回のお話です。

1 うおのめ、たこ、いぼ

 うおのめ・たこは靴の中であたるところにできます。ほんとうにぴったり足に合う靴を履いていればできないはずですが、歩き方のくせのためにできることもあります。まわりに人のいない場所で、路面が平たんなところを選び、10mほど目をつぶって歩き、足裏の感覚に集中します(自信のない人は止めてください)。かかと→足うら全体→親指つけ根の順番に体重をかけるのが自然な歩行パターンです。

このパターンがくずれると、力が集中してかかるところにうおのめやたこができてきます。よくあるのは指のつけ根(とくに2・3番目)足うら側のたこで、親指側にうまく体重がのせられないのが原因です。うおのめ、たこが痛いときに、わたしは靴の中敷きに穴をあける方法をおすすめしています。痛いところの下に小さな穴をあけて圧を逃がすと、すぐに痛みがなくなります。むかし東京マラソンの前にうおのめが痛くなったとき、このやり方で無事マラソンを完走しました。

イボはイボウイルスの感染で起きますが、うおのめとまぎらわしいことがあります。痛みが強いときはお医者さんに相談してみてください。

2 足うらの痛み

 足うらの痛みのほとんどは脂肪クッション、足底腱膜や筋の痛みですが、先日かかとの骨挫傷(目に見えないヒビ)の人が二人受診しました。どちらも武道をやっている人で、練習でかかとを強く打ち付けるのが原因だったようです。

 靴底のクッション性が乏しい靴、短期間の体重増加、長時間の立ち仕事、運動量の増加がきっかけになることが多いです。歩幅を大きくとり、かかとを地面に押し付けるように歩く人はかかとなど後ろ側の痛み、ヒールのある靴で指のつけ根側を地面にたたきつけるような歩き方をする人は前側の痛みが出ることが多いです。

 どちらの場合も骨盤の動きを意識して歩くと、歩行が滑らかになり痛みが軽くなっていきます。歩き方については、ユーチューブなどの動画が参考になると思いますよ。

3 うす底・厚底

 スポーツ(特にランニング)をする人にとって、スポーツシューズの選択はとても大事です。最近のはやりは厚底シューズで、猫も杓子も…と言いたくなるくらい各社から販売されています。靴マニアとしていろいろ試した印象は、

  • 厚底はたしかに楽。だが走り方(動き方)のくせをカバーしてくれる分、くせの修正にはマイナスかも。厚底は本番用にとっておき、ふだんはうす底で練習したほうがいいのかもしれません。

  • うす底は自然な足の運びを練習するには好適。けがからの回復中(私のように)の人はこっちでまずカラダ作りをするべきか(ちょっと反省中)。

  • 速い人用の厚底は、F1レーシングカーのようなもの。はきこなすにはかなりの体力強化が必要。

  • どんな靴であれ動きづくりが大切で、ゆっくり軽い動きからはじめて徐々に慣らしていく。あわてて結果を求めない。といったところです。

4 どんな靴が合う

  • いいものはいい・・・履いた瞬間気にいった(履き心地が素晴らしい)ならたぶん合っています。

  • ギミックにまどわされない・・・高性能の素材とか新技術の搭載など宣伝文句に惑わされない。履いただけで速くなる(故障知らずになる)シューズはありません。

  • 足の痛い人・・・一般のシューズで足の問題をすべて解決することはできないけれど、中敷きや別売りのインソールを工夫するとかなりのことができます。それに医療用のものよりずっと安あがりです。

  • 値段もだいじ・・・ある程度の値段は品質保証と考えてください。いろいろ試してみましたが、安いのにはそれなりの理由があります。

  • 靴はへたる・・・どんなに体に合ってお気に入りの靴でもかならずへたります。へたった靴が原因で足の痛みを訴えることは珍しくありません。痛みが出てきたら靴の買い替えを検討してください。

ねりまインクワイアラー 168 緊急事態宣言

 コロナウイルスの感染のピークを減らし、医療のひっ迫を避ける。これが緊急事態宣言の目的です。しかし今までのやり方では十分な対応ができなくなっているようです。医療に偏りすぎず、経済とバランスをとって新しい方針を打ち出せるのか。これからが注目と思います。