実践ウォーキング
ウォーキング(歩行)の効用はむかしから言われていますが、気晴らしとして歩くのか、ダイエットあるいは体力増進のためなのか目的によって歩き方はちがいます。自分にあった歩き方を見つけるためのアドバイスです。
1 ウォーキングはスポーツ?
楽しみながら体を動かすことができればそれはスポーツです。弓道やアーチェリーのきつさはウォーキングと同程度ですが、スポーツと認知されています。ふつうの歩行(時速4キロ)で運動強度が3メッツ(基礎代謝の3倍)くらい、ソファに腰かけてテレビ鑑賞をしている時が1.5メッツですから、じっとしているときの2倍は動いていることになります。いっぽう、階段を上ると7メッツ、ランニングで9~11メッツぐらいなので、ランニングと比べれば1/3~1/4のきつさです。言い換えると、ランニング30分と同じカロリーを消費するためにはウォーキングで1時間半は歩かなければいけません。のんびりと景色を眺めながら歩いたり、犬と一緒に散歩すれば時速2キロくらい、ランニング30分と同じカロリー消費のためには3時間以上歩かなければいけない計算です。犬といっしょに走っている女性をみかけたことがありますが、あれなら相当な運動量でしょう。歩くスピードが時速8キロを超えるとランニングよりきつくなる(カロリー消費が上回る)ことがわかっています。のんびりとジョギングしている人やゆっくりとした自転車を追い抜くスピードですから、歩くといえどかなり速いといえます。
以上を考えると、しっかりとからだを動かしカロリーを消費したいならランニング、安全に、体に負担をかけずに動きたいならウォーキングが良いと言えるでしょう。
2 知っておきたいこと
ウォーキングに向く靴があると聞くと、歩くのに向かない靴なんてあるの?と不思議になります。ちょっと昔の田舎では、はだしで歩き回るのは珍しくありませんでした(私も経験があります)。でもそのころの道は草の生えたあぜ道や土の道(集落の道はそれがあたりまえ)だったので、足には優しかったのです。今の道はアスファルト舗装がほとんどですからはだしで歩くには硬すぎます。長く安全に歩くには適度なクッションと体重がうまく分散できるような中敷きや足を保護できる外革が必要です。現代の道路を長い時間歩き続けるためには、スポーツシューズ(ウォーキング・ランニング用)をはくのが現実的と思います。
ところで歩くとき、自分の歩幅はどれくらいか知っていますか。100メートルを150歩の割合で歩くと一歩は約67センチ(100➗150=0.67)となるように、決められた距離を何歩で歩くか知ることで自分の歩幅を計算することができます。一般には身長の3〜4割の歩幅ですが、後に述べるパワーウォークでは4〜5割まで歩幅が伸びます。むりに歩幅を伸ばそうとすると身体のかなり前方で足が着地することでブレーキがかかって足や膝に無理がかかり、故障しやすくなります。股関節から先は余計な力を抜くようにして、自然な振り出しで足が着地するようにすれば疲れにくくスムーズな足の運びができるはずです。
3 目的別のウォーキング
ダイエット 短時間でできるだけ多くのカロリーを消費するためには楽であるよりも「たくさん汗をかく」ことが必要です。そのためには、手足を大きく動かしてできるだけたくさんの筋肉を使う必要があります。これがパワーウォークと言われるもので、慣れてくると軽いジョギングと同じか少し速いくらいまでスピードが上がります。脂肪の燃焼を促進するために息がきれない程度のペースで、毎日30分以上歩くのがコツです。
体力増進 持久力をつけたいのなら長く歩くことを心がけます。足腰のバネを強くしたいのなら階段や坂道など起伏のあるところを歩きます。上半身の筋力をつけるにはノルディックウォーキングが最適でしょう。両手にスキーストックに似た杖を持ち、上半身の筋力も利用して歩きます。最近では高齢の人が「転ばぬ先の杖」代わりに使うこともあります。以前山道を十数時間かけて歩いたときには両杖の効果を実感しました。山道を歩くトレッキング、楽しみを兼ねてのハイキングも効果的です。
気晴らしとして 雲を眺め、鳥のさえづりを聞き、花を愛でる。いつもの散歩道から少し足を伸ばしたり、電車で降りた先で歩いてみる。美味しいと評判のパン屋さんやお菓子屋さんを目標に歩いてみる。何をするかは人それぞれです。楽しいと感じることが脳を活性化させ、食欲が増し、寝つき良く寝覚めもすっきりさせてくれるでしょう。気が向いたら、3分だけ速歩で歩いてみましょう。これがインターバル速歩と言われるもので、気軽にできるのに筋力・心肺機能の向上が得られる方法です。むずかしく考えず、まずは歩いてみましょう。何をするか、何をしたくなるかは感じるままに、自由にやればいいのです。
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