目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

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松ぼっくり通信電子版
高野台松本クリニックの院長、松本不二生(ふじお)先生が体にまつわるあれこれを書いた松ぼっくり通信。読めばカラダに役立つ、読むサプリです

高野台松本クリニック 177-0035 練馬区高野台1-3-7NFプラザⅡ三階 
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(整形外科・リハビリテーション科・漢方外来

松ぼっくり通信

松ぼっくり通信 2023年 3月号

ことばはむずかしい

 先日朝ドラで短歌づくりに悩むシーンを見て、もともと詩や短歌が苦手な私は(31文字ぼっちなんだからぱっと作れないのかな?)と一瞬思いました。でも、短歌作者の方はきっと血を吐く思いで作っていると想像しています。こんな私ですが、それでも仕事の中で言葉づかいに悩むことがあります。今回のお話です。

1 ことばの意味

 国や文化が異なると同じ意味のことばでも、実際に与える印象が大きく異なることがあります。典型的なのは「水」です。身の回りに水が豊富にある土地に住む私たちは「さっと湯がいたり」「湯でこぼしたり」「水にさらしたり」をふつうに話していますが、水が大変貴重な砂漠地帯に暮らしている人たちにこれらの表現の雰囲気を実感してもらうのはきっと至難の業でしょう。

「古池や かわず飛び込む 水の音」という有名な俳句を鑑賞するとき、(かえるが池に飛び込んだ)という解説ではまったく不十分なのは皆さんおわかりと思います。濡れた苔に囲まれた小さな池、おそらくアマガエルが水草の上から水に飛び込み、ぼちゃんと音がして、そのあとに静けさがただよう・・・こういったことを瞬間的に理解できるのは作者と同じ環境や暮らしを経験している私たちだからできることです。

では同じ町で、同じ空気を吸っていればことばのイメージを100パーセント伝えられるのか?自分が言いたいことをなかなかわかってもらえないという経験は誰にでもあるはずです。医療の世界も同じ、こちらが伝えたいということが伝わらないという経験は医師の側にも、患者の側にもあります。それも、けっこう頻繁にある気がしています。

2 たとえ話は役に立つのか

「千里の道も一歩から」と聞けば(あーそうそう、どんなにすごいことでもはじめは小さな努力からはじまるんだよね)とわかるのはなぜかというと、学校の先生や親に教わったからです。聞いたまんま、千里の道を歩くときに一歩目からはじまる?あたりまえじゃん!と考えてもおかしくないのに、道という言葉から人生とか学業とか別のイメージに置き換えて考えることを抽象化といいます。具体的な出来事をもっと広いことにまで通用する概念に置き換えること。「たとえ話」がやっているのはこれです。

どんな分野でもむずかしいことをわかりやすく伝えたいとき、たとえ話はとても役に立ちます。でもなかなかわかってもらえないときもあります。ひとつはたとえ話の出来が悪くイメージが伝わらないとき。もうひとつは抽象化に慣れていない人と話すとき。抽象化は脳トレのひとつなので、得意な人も不得意な人もいます。たとえ話がうまくいって、(あ!わかった!)という顔を見るととてもうれしいです。うまくいかないときはちょっとがっかり、プランを練り直し別のたとえ話を試します。たとえでどれだけイメージを広げられるか。勝負のしどころです。

3 身動きを口で教えることはできる?

スポーツや習い事をはじめるとき、初心者は上手な人の動きをまねようとしますが、なかなかうまくいきません。うまくいかない理由はまだ体ができていなかったり、動きの中でどこが勘所かがわかっていなかったりさまざまです。そして練習の後、いろいろ指導されてもよくわからないってことありますよね。

あとから教わるのでなく、動いている瞬間にずばっと指導する方法を研究している人がいます。ゴルフの「チャー・シユー・メン」長嶋さんの「スウーっと来た球をガーンと打つ」に近いのですが、その人の動きをコンピューターなどで解析して一歩先を読んで指導するという研究で、ちょっとづつ成果が出ているようです。

私の仕事では、腰痛の患者さんなどで姿勢やからだの動き方を指導するのですが、自分ではわかりやすいと思っている感覚を言葉で伝えるのにとても苦労することがあります。腰という言葉一つをとっても、人によってイメージが全然違います。だから指導はオーダーメードが必要、まだまだ改良が足りないと感じています。

4 プラセボとことば

プラセボとは、「ほんとうは効果がないはずなのに(心理的な影響で)実際に効果が出てくること」を指します。新薬・治療法の開発現場ではあまりいい意味で使われていない言葉ですが、あらためて考えてみるとこれってすごいことだと思いませんか。患者さんの気の持ちよう(あるいは持たせ方)が実際の効果に無視できない影響を及ぼすのですから。うん十年医者の仕事をして感じるのは、同じことを話していても言葉の受け止め方は人によって全然違うことです。こちらがいい意味で使った言葉を悪い意味で受け取られてしまうことがあれば、その逆もあります。医療のことばは耳慣れないものばかりですから、医者が気軽に使っている言葉でも患者さんが聞けば不吉な響きがすることもあり得ます。でも長いこと診ていて思うのは「たいていのことはなんとかなる」ということ。なんとかならないように見えるのは、短期的に物事を見すぎていたり、必要以上に恐れていたりいろいろなので、その辺の心のコリをほぐしていけたらと考えています。ちょっとした見方の修正が、良い方向につながることを期待して。

ねりまインクワイアラー 191 日光と健康

日に当たってビタミンDを作るか、日光を避けて皮膚がんを作らないか。こういう二者択一の考え方をしていませんか?答えはどちらでもありません。そのあいだに解決策が見つかるはずです。

松ぼっくり通信 2023年 2月号

一日1万歩

 クリニックをはじめて5年めのある日、急に呼吸が苦しくなり動けなくなりました。その後も気分が悪く長くは立っていられません。食事がのどを通らず、腕がしびれ、夜もぐっすり眠れなくなりました。自分で(ストレス性?)と診たてたものの、クスリを飲んでもふらふらするだけでした。そのとき役立ったことが二つあります。ひとつはスタッフがしてくれたマッサージ。そして今回お話しする一日1万歩のウォーキングです。

1 1万歩のひみつ

正確には「数千から1万歩」ぐらい、毎日歩きました。1万歩って長いと思いますか?軽快に歩くと、だいたい1時間で6・7千歩は歩けます。家の用事や仕事中が3千歩(人によりけり、少ない人や多い人もいる)とすれば一日1万歩はそう大変ではありません。クリニックの休み時間を使って、一日30分くらいから始めました。はじめはのんびり歩いてもふらふらしましたが、やってみると(これならなんとか続けられるかな)と思いました。

1か月を過ぎたあたりから(良さそう!)な気がしました。となりの駅やふだん行かないあたりまで足を延ばし、ときどき電柱一本ぐらい走ってみたりするうち、しだいに体調が戻るのを感じ始めました。その後はご存じのように、元気になりました。マラソンやトレランをやり、ストレッチや筋トレが習慣になりました。それなりに年を取ったものの、まだまだやれそう!と思えるようになりました。

最近の研究で「1日1万歩の習慣がもっとも長生きしやすい」という報告があります。それより少なくても効果はありますが、1万歩までは寿命の延伸効果があり、それ以上歩いてもあまり変わらないのだそうです。私なりに解説してみます。

2 歩くことで脳のスイッチを切り替える

あのころ仕事が急に忙しくなったうえ、医師会の仕事も加わって心と体がまいってしまったのだと思います。運動不足だとわかっていたものの、忙しくてそれどころでない!というのが当時の正直な気持ちでした。今はわかるのですが、「できない」理由は実際に時間が取れないというよりも、気持ちに余裕がなかったのです。気持ちの切り替えができず、いつも同じことをぐるぐる考えている。これでは脳が休まりません。スイッチがいつも入りっぱなしで、オーバーヒートしている状態ですね。

これを良くするために大事なのは脳のスイッチをこまめに切り替えることです。いつも同じ脳の部分ばかりを使っていると故障しますから、いろいろなところを順番に使い分ける必要があります。ボーっとしていても歩けるように感じるのは、意識に上らない部分の脳を活発に使っているからできる芸当なのです。

おおむかし、狩猟や採集で人が暮らしていたころ、今以上に脳全体の機能をフルに使って暮らしていたはずです。脳の健康を考えるなら、できる範囲でご先祖様のライフスタイルに近づいたほうがいいのです。いのししに追いかけられたときは必死だけれど、みんなでたき火をかこみ腹いっぱいのときは幸せになる。これは脳のスイッチが切り換えられるからできたことなのです。

仕事や世の中のしくみが複雑になったためか、現代の私たちは絶えず心配したり、イライラしがちです。そんなとき、ただ歩く。それだけで脳のスイッチが切り替わり、心も体も元気になっていきます。その最適量が一日一万歩ぐらいなのでしょう。

3 歩いて元気になるコツ

歩くことのデメリットはほとんどなく、普通に暮らしている人の大半は今以上に歩いたほうがいいです。でもマンネリ化したり、効果を感じられなくなったりする人が出るかもしれないので、こつをお教えします。

4つの変化を使い分ける・・・歩く距離、ペース、フォーム、テレイン(地形)の4つのうち一つだけを変えてみる。たとえば少し長い距離を歩いてみる。少しペースを上げてみる。腕の振りや姿勢を変えてみる。平べったいコースから坂道のあるコースに変えてみるなど。一つの変化だけなら、その結果がいいか悪いかシンプルに判断できる。進歩の具合や弱点もわかりやすい。

結果は1・2週後に判断する・・・いつもより疲れたと感じるのは良いトレーニングだった可能性あり。ちょっとたってから同じ条件でやってみると進歩がわかるはず。

仕事や家事とセットで考えよう・・・いろいろな理由で疲労はたまるもの。本当に疲れたときは休みましょう。

4 もっと気軽に

寒い季節、でも背中に日差しが当たればぽかぽかと暖かい。小さな子供だった頃、公園で走り回ったり、砂場で遊んでいたときにそんな経験をしたはずです。犬も歩けば棒に当たる。人も歩けばおもしろいことにぶつかります。用事がなくても、いや用事がないからこそ外に出てみませんか。車のように速くはないけれど、そのぶん町の空気、におい、風の流れを感じることができます。初めて行った街角や商店街を見物し、おいしそうなものを見つけたら、その場で食べたり、お土産に。歩けばあなたの世界が広がります。

 

ねりまインクワイアラー190コロナ後遺症

 コロナは全身感染症なので、もともと体の弱点だったところがさらにダメージを受けます。だから腰痛の人は腰痛の悪化、持病のある人は持病の悪化が起きやすいのです。

 

ねりまホンゾー No.308  ジャポチカバ

木の幹から直接実がなります。ブラジルではポピュラーな果物ですが、日持ちしないので日本では売っていないようです。

松ぼっくり通信 2023年 1月号 

前頭葉をきたえよう

 手足のけがや腰痛などくびから下を中心に診ていますが、なんでけがをしたのか、痛みが出たのかをつきつめると、からだを動かさないことがきっかけとなったケースが多いです。そしてからだをしっかり動かすためには、脳を元気に使うことが必要なのです。

 前頭葉の役割

だれだって楽はしたいものです。いつもと同じ毎日、深く考えず過ごしていれば気楽です。でもそれだけだと脳が退化します。とくに脳の前方にある前頭葉の働きが弱ってしまいます。前頭葉が司っているのは、強い意志を持ち、粘り強く計画し、実際に行動する力です。

脳やせき髄(中枢神経)は生まれてから死ぬまで絶えず改変されています。よく使うところは強化され、あまり使わない部分は委縮していきます。前頭葉を使わないでいるとしだいに委縮し、いざ!というときに働かなくなっていきます。体のほかの部分と同様に、委縮の程度がある一線を越えてしまうと機能不全が戻らなくなります。認知症と呼ばれる状態ですが、実際は腎不全・心不全と同じく、脳不全になっているのです。

2 よく聞き、一考する

脳の健康のため、前頭葉を働かせましょう。まず第一歩は「よく聞く」ことです。外来で診察していると、(この人はほんとうにわかってるのかな?)と思うことがあります。みょうに受け答えが軽く、聞き流しているような印象、あとで聞いてみると要領を得なくなっている。そんなに珍しいことではありません。

医療にかぎらずその道のプロに接することがあるはずです。趣味や習い事でかなりの経験を積んだ人から話を聞くこともあるでしょう。そういう時、相手の言葉をしっかりと聞き取りましょう。わからないことは質問してください。ことばの選び方にその人なりの含蓄があり、人柄や考え方が現れています。聞きたいこととちがう回答だった場合、まず一回飲み込み、落ち着いて考える習慣をつけましょう。心を柔らかくして、いろいろな可能性に心を開くことが脳を鍛えます。怒る、はねつけるなど拙速の反応は機械がショートしたのと同じで、脳にダメージを与えます。

3 すぐに実行する

言うは易く行うは難し。ことわざにあるとおり、誰にとっても何かをやるのは大変です。わたしの経験でいうと、いきなりなにかすごいこと、かっこいいことをしようとするとまず失敗します。適当に、興味のおもむくままに、ちょっといいかげんにやりはじめると、案外長続きするようです。はるかむかしの学生時代、優柔不断な自分に嫌気がさして(いろいろ考えずにまずやってみよう)と思いたちました。40年以上たったいま思い返してみて、失敗することもありましたが大すじはそれで良かったなーと思っています。

すべてを準備せず、走り出してから考える。ビジネス書にありそうな内容ですが、最近の脳科学の研究からも正しいことがわかってきました。とりあえずやってみると、脳の中の回路が働き始め、最初大変だと思っていたことでもなんとかなるものです。これができなくなるのが高次脳機能障害の一つ、遂行機能障害で、前頭葉のはたらきが落ちているサインです。病気やけががよくなっていて本人さえその気になれば歩けそう、でも実際には歩けない。最近リハビリの現場では、こういう方を見ることがめずらしくありません。歩かないのか、歩けないのか?まわりは悩みますが、やはり認知症がかかわっているケースが大半だと考えています。認知症の予防のためにも前頭葉を鍛えましょう。

4 前頭葉を鍛えるには

自分を抑える・・・前頭葉のダメージが強くなると感情の抑えが聞かず、すぐに怒ったり泣いたりするようになります。怒りやすい人はなぜ自分が怒りを感じるのか、一度立ち止まって考える習慣をつけましょう。日ごろの生活でも、自分ばかりを優先せず相手の立場を思いやったり、気遣う言葉をかけるなど、前頭葉訓練のチャンスがごろごろ転がっています。

欲望がお手伝い・・・ちょっと前ですが、京都の山中でみつけたレストランがなかなかおいしくて、またハイキングで行ってみようかな!と思っています。食欲・物欲そのほか基本的な欲望は行動への大きなドライバーになります。うまく活用して行動範囲を広げましょう。

肩書・立場からはなれる・・・身にまとっているものにいつのまにかとらわれていませんか。だれもあなたのことを知らない場所やイベントに身を置いてみましょう。ただのおじさん・おばさんになって素のままで行動すると新鮮です。心のオーバーホールになりますよ。

エイヤ!とやってみる・・・なにかをしてみたいと思ったとき、心の中でできない理由をさがしていませんか?ほんとうにできないことなのか、それともやらないですむ理由を探しているのか。よく考えてみましょう。やるかやらないか迷ったとき、とりあえず「やる!」の選択ボタンを押してみましょう。これも心の訓練の一つ、失敗もあるでしょうが、だんだんと「やる!」を選ぶことに抵抗がなくなってくるはずです。

ねりまインクワイアラー 189 マスクとお国柄

 日本は世界で突出してマスクの使用率が高い国です。コロナの疫病対策は世界中で知識が共有されていますが、あとはお国柄、住んでいる人たちの考え方が反映されているようです。

 

ねりまホンゾー No.307

トレビス

見た目は紫キャベツに似ていますが、チコリの仲間です。食べてみるとかすかな苦みがあり、葉が柔らかい印象です。サラダのほか焼いてもおいしいそうです。

 

松ぼっくり通信 2022年 12月号

コロナで激変!どう暮らすか

先日、ある学会でこれからのコロナ対策について講演を聞きました。コロナはこれからもまだまだ続くだろう、すっきりとおしまいにはならず、だんだんと風邪の一つになっていき、ワクチンは年一回になっていくのではないかというお話でした。わかってはいたものの、ちょっとがっかり、でも元気に暮らす方策が必要です。今回のお話です。

1 世の中のしくみが一変した

緊急事態宣言前の2020年2月、青梅マラソンに参加したとき、電車は超満員、だれもマスクは付けておらず、フツーに走ってフツーに帰ることができました。それからの出来事は皆さんもご存じのとおりです。もちろんランニング大会などのイベントは一切行われず、みんなが息をひそめて家でじっとしている状態が続きました。人々の行動形態がいっきに変わり、仕事、学校、家庭生活にものすごい影響が出ました。

2 ワクチンの意義

これまでにコロナワクチンを4回受け、近日中に5回目も接種予定ですが、正直うっとうしいです。まわりの医療関係者もよろこんで打っている人はまずいないです。仕事柄もあって、流行予防(軽減?)にワクチンが有効という情報を聞いているから、(まあしょうがないか)と考えている人が大半です。

新型コロナは変異性が強いため、新しい変異株が出ると急いでワクチンを作ります。RNAワクチンは比較的早く作ることができますが、理屈上先回りができないので、どうしても追いかけっこになるのが残念です。でも集団感染のスピードを抑えて死亡率を減少させることができますから、ワクチン接種を推進するのは意味があります。

一言でいうと、ワクチン接種は「世のため、人のため」になります。ただし、ワクチン接種がむずかしい方(副反応が強い人など)もいますから、心配な方は医師と相談して受けるかどうか決めてください。

3 若い人はどうする?

ある意味、コロナの影響を最も受けたのは若い人たちです。学校、友人関係、就活、キャリア形成など、一生でもっとも大事な時期に大きな波をかぶりました。たぶん100年で一回あるかという大きな転回点だと思います。先輩たちの経験や積み重ねられたデータが通用しなくなり、手探りで人生設計を考えざるを得なくなりました。

中世のペスト流行ではヨーロッパの人口の3分の2が亡くなり、社会のしくみが根底からゆすぶられました。極端な人手不足から農奴制が崩壊し、農業以外の産業が発達し、宗教にとらわれた価値観からはなれ自由にものを考える習慣が広まっていきました。当時の人たちも苦しい毎日を送っていたはずですが、長い目で見るとチャンスが広がる世の中に変わったともいえます。コロナ流行も同様だと私は考えています。

若い人たちへのアドバイスはシンプルです。日光を浴び体を動かして体力を養いましょう。あなたたちの時代はもうそこまで来ています。そしてワクチン接種を受けてみようかな?と考える人が増えてほしいと願っています。

4 年寄りは?

超高齢化社会にコロナ流行がかぶって、国の社会保障費が激増しています。年金受給年齢の繰り上げなど、ありがたくない話題も増えてきました。ここでは、自分たちができることに目を向けてみましょう。

● 必要以上に恐れない・・・動ける人は家にこもりきりを避けてください。街中でも人混みでなければマスクを外して歩くことができますが、お店、病院そのほかエチケット上マスクをつけた方がいい場所では付けましょう。コロナに感染した場合、もとからある病気(慢性疾患)が悪化して亡くなる人が増えています。運動不足は多くの慢性疾患の悪化を招きます。散歩をするならはじめから何歩までと決めず、疲れるまで歩きましょう。いつも同じところを歩かず、スピードに緩急をつけたり、坂や階段にもチャレンジしてください。バス・電車賃を持って物見遊山に出かけるのも手です。
● スマホ・パソコンをやろう・・・やると意外なくらいおもしろいし、意外なくらい簡単です。遠方の孫との会話も楽しめます。より年をとって足腰が弱ったとしても、遠くの家族・親戚や友人と歓談できます。自分の世界が広がりますよ。
●働くのもあり・・・長く患者さんを診ていて、ご高齢で働いている方はやっぱり違います。働くことのメリットは収入プラス人付き合い・頭の体操・運動不足の解消で大きいです。ボランティアだってすごくいいと思います。

 

ねりまインクワイアラー 188 あのころ、町に基地があった

所沢の航空公園のそばに広大な空き地をみつけ、調べたら米軍の通信基地でした。基地と言えば…立川にいたころ、まわりには米軍の外人ハウス(家族住宅)がいっぱい、基地の子たちと遊んだりけんかしたり。家に遊びに行くと広い芝生でパターゴルフをしたり。空ではゴーゴー飛行機が飛び交っていました。駅前には英語看板の店があちこちに。いろいろなことを思い出しました。

 

ねりまホンゾー No.306

プロトタキシーテス

地球上にまだ一本の木も生えていなかったころ、巨大なキノコが生えていました。キノコといっても笠はなく、ヘタだけですが高さはなんと9m(3階建てのビルなみ)もあったそうです。
その後、様々な制限が少しづつ緩和されてきましたが、コロナ前の生活に戻れることはないでしょう。わたしもマスクが苦手ですが、おそらく仕事の時はマスクをずっと付けることになるのでは?と予想しています。マラソンなどのイベントがやっと開かれるようになりましたが、感染対策のため運営がずいぶん変わりました。これも今後変わらないはずです。皆さんが感じている毎日の変化は、これからもずっと続き、日常の一部になっていく可能性が高いといえます。

松ぼっくり通信 2022年 11号

関節を元気にしよう!!

 20年ほど前、はじめてマラソンを走った時のことです。帰りがけ、膝が痛くて駅の階段が上がれず苦労しました。1週間は横断歩道をわたりきれず、車にクラクションを鳴らされました。その後走り慣れてくると痛みは軽くなり、しだいに痛みを意識せずに走れるようになってきました。ところが⁈ 今回のお話です。

1 むかしとった杵柄(きねずか)はありません

 数年前に右足の骨折をしてからすべてが変わりました。細かい話は省きますが、アキレス腱の故障⇒骨折⇒手術をくぐりぬけた数年間で右脚の筋力がガタ落ちになりました。歩くのはOKでも、まともに走れません。感覚でいうと、マラソンを始める前、運動不足で体調を崩したころより悪くなった気がしました。

 「ゼツボー!」と一瞬思いましたが、すごろくで振り出しに戻ったのと同じ、またやるしかないと思いました。それからまた数年がたち、なんとか格好がついてきました。年を取った分スピードは出ませんが、これからも楽しんで走っていきたいと考えています。

 むかしスポーツをしていて、久しぶりに同じことをやろうとすると、気持ちは同じでもからだが全くついていかない。みんなはじめはそうなのですよ。でも気を取り直して続けていけば、またちょっとずつ上手になっていくのです。

2 軟骨のせいばかりにしないで

軟骨がすり減ったから、ひざ(股関節そのほか)が痛いのだと考えていませんか?そう書いてある本や、お医者さんの説明があったかもしれません。医学生のころ、軟骨についてイの一番に学んだのは「軟骨には神経が存在しない」ことでした。神経が通っていないところは痛みを感じません。だから、お医者さんたちも(軟骨が痛みの直接の原因でない)ことは知っているのですが、いまでも関節痛の原因をクリアに説明できていないので、「軟骨がすり減っている」で話を終わりにしがちなのです。

そこで関節に関係がありそうなことをぜんぶ調べていくのです。ひざ一つとっても、軟骨以外に骨、筋肉、じん帯、血管、神経そのほか細かな組織が縦横無尽につながっていて、ひざから離れたところまでたどって調べることが必要です。そして離れたところに原因が見つかることがしばしばあります。

マラソン練習中の関節の痛みは大半が筋肉性でした。骨やじん帯の痛みもありました。神経痛もたっぷり経験しましたが、いまでもたまにぶり返します。痛みとの付き合い方をお話ししましょう。

3 痛みとつきあう

痛み=絶対悪ではありません。温感・冷感・触感などと同じようにからだに必要な情報です。だから痛みと相談しながら体を動かしましょう。動き始めは痛いけれど、だんだん軽くなるようだったらとりあえず動いていいでしょう。反対に動けば動くほど痛みが強くなるようだったら、運動を休止するのが安全です。

経過を見るのも大事です。週~月単位で痛みが軽くなっているのなら、とりあえず運動を続けてみてください。一瞬顔をしかめるような痛みがあっても、そのあと痛みが消えているときは大丈夫なことがほとんどです。うずくような痛みが長く続いたり、夜間睡眠を妨げるような痛みが出るときは運動を休止し、お医者さんに相談してみてください。

筋肉が弱ってくると痛みが出やすくなります。運動不足の人は少しづつ運動量を増やしていくといいでしょう。急に運動量を増やすと、あちこちの故障を招きがちです。

4 関節を元気にするひけつ

  • 軟骨はざぶとん・・・お尻の下にざぶとんを敷くと楽になるように、骨にかかる衝撃を減らしてくれるのが軟骨です。軟骨を長持ちさせるには①適度な有酸素運動と休養のめりはりをつける②ミネラル・タンパク質に富んだ食事③長く座り続けず(背骨の軟骨=椎間板に良くない)こまめに動いてください。

  • 骨も重要・・・意外と骨の痛みが関節痛の原因だったりします。ビタミンD不足に注意!

  • 筋肉はばね・・・ 縄跳びのようなはずむ動きを練習してください。関節にかかる負担をやわらげます。

  • じん帯にスローな筋トレ・・・ゆっくりしたスクワットはひざのじん帯を強化します。回数よりも、ゆっくりやることが大切です。慣れたらウェイト(重し)を使って負荷をかけるといいでしょう。

栄養食品について・・・コラーゲンはタンパク質の一種で、皮膚・骨・筋肉などからだのすべてを形づくるもとになっています。コラーゲンそのものを口から摂取しても、消化管内でアミノ酸に分解され、もとのコラーゲンがそのまま体に入るわけではありません。現状では割高な栄養食品だと思った方がいいでしょう。スーパーで売っているゼラチンはコラーゲンの一種です。ゼリーを作って食べるのもいいですが、軟骨・牛すじ・煮こごりなどコラーゲンを多く含む食事をとるのが賢い方法だといえます。コンドロイチン・グルコサミンサプリについての最近の研究では、効果が疑問視されているようです。

ねりまインクワイアラー 187 10キロ歩こう

活発なライフスタイルを続けるために、10キロ歩くことを目標にしてみましょう。この辺からは池袋・所沢・小金井公園などが10キロ圏内です。2・3時間の行程ですから半日運動し、行った先で遊んでください。

 

ねりまホンゾー No.305

クリ

秋の味覚の代表ですが、日本産のクリは渋皮とりが面倒です。子供のころ、母親が買ってきたモンブランケーキを食べて「こんなにウマいものがあったのか!」と感動しました。以来、モンブランケーキは好物の一つです。生モンブランにも挑戦してみたいです。焼き甘栗もおいしいですね。