目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

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07月

松ぼっくり通信 2021年 8月号

補装具を活かす

 補装具とは杖やコルセットなど、手に持ったり着用してふだんの生活の助けをする道具のことです。車いすのように大きいものがある一方、コンタクトレンズや補聴器のように小さいものもあります。身近でないようで、意外と身近にある道具です。今回のお話です。

1 杖・松葉杖

 3年前、かかとの骨折をおこしたときに私も松葉杖のお世話になりました。慣れないうちは汗びっしょりになりましたが、そのうちあちこち出かけるようになり、家族といっしょに買い物や食事に行ったり、学会に出かけたりしました。都内の駅にはまず間違いなくエレベーターがあるので、行こうと思えばたいていのところに行けるのです。もしも杖を使わなかったら、仕事に行けず、家からも出られず、ずいぶんつらかったはずです。本当にありがたい経験でした。

 ご高齢になり、せなかが丸くなったり神経痛が出たりするときにも杖は役に立ちます。足の故障・マヒが残る人にも大きな助けとなります。 年齢が高くなったとき、杖を使ったほうがいいか聞かれることがあります。体力低下や故障のため歩くことに不安を感じているなら杖がおすすめです。「転ばぬ先の杖」のたとえ通り、いざというときにちょっと支えがあるだけで転ばずに済むなら、外に出たくなりますよ。一度杖をついたらもうやめることができないのでは?と心配する人がいますが、これは誤解です。一時的な体力低下があるとき、杖を使ってがんばって歩く練習を続ければ、ふたたび杖なしで歩けるようになります。

2 コルセット・サポーター

 コルセットとは体にまきつけるバンド状のものを指しますが、医療用ではプラスチックなどで固めに作ったものもあります。せぼねやそのまわり(靭帯や筋肉)に痛みがあって動かしづらいとき、コルセットで一時的に保護してあげるだけで痛みが軽くなることがあります。故障部位を保護するだけで治る故障も多いので、そのあいだの時間稼ぎをするわけです。

 「コルセットを長く着けると良くない」と言われることがありますが、コルセットを長く着けると腰回りの筋肉の力が落ちる可能性があります。だから故障が快癒したらコルセットを外したほうがいいと思います。しかしながら体の故障は千差万別で、長くコルセットを必要とする方もいます。ケースバイケースなので、迷ったら相談してみてください。

 サポーターは手足に巻くもので、文字通り巻いた部分をサポート(支える)します。特殊な支柱付きのものもありますが、よくあるのは弾力のある布地でできたタイプです。骨折後のリハビリ中、筋力が落ちた膝が痛むようになりました。市販のサポーター(1000円くらい)を使ってみたら楽になり、助かりました。コルセットと同じく一時的な助けになりますが、やはりつけすぎると問題です。症状が軽くなってきたら外すことを考えましょう。医療用のものもありますが値段が高めですので、まず市販品を試してみましょう。通販などで安く手に入ります。

3 マヒを助ける

 病気やけがのためにからだにマヒが残ることがあります。それでもできることをしたい、家事や仕事にもどりたい、旅行やスポーツをやりたい。そういう願いにこたえるためや、リハビリのお手伝いとしていろいろな補装具が生まれてきました。歩くための杖のほかに、膝くずれや足の引っかかりを防ぐための下肢装具がよく使われています。一人で歩くのが難しい場合は車いすや電動車いすがあります。マヒがあっても車を運転できるよう自動車を改造する方法もあります。

 まだまだ一般化されてはいないものの、ロボットスーツのような歩行機器も開発されています。将来、こういったスーツを付けた人たちが街を自由に散歩したり、買い物に出かけるようになるかもしれません。子供のころ夢物語だった携帯電話がこれだけ普及しているのだから、大いにありそうだと思いませんか。

4 補装具は勇気を与えてくれる

 下肢の故障でほとんど家から出なかった方がシルバーカーで歩き始めました。以前よりせなかがしっかりして、姿勢も良くなりました。歩くことで、使わなかった部分がきたえられたのです。前向きな気持ちを、シルバーカーが後押ししてくれたのですね。

 今年の正月のことです。よろよろとジョギング中、軽快に飛ばしているジョガーを見かけ、すれちがってびっくり!義足で走っている方でした。こりゃ、こっちもがんばらなくっちゃ!!と思いました。する人はもちろん、見た人にも勇気を与えてくれる、ちょっと感動する経験でした。

 道具である以上、補装具もどれだけ使い込むかがだいじです。使って、使って使いきる。その気持ちがあれば、使って良かったと思えるはずです。

ねりまインクワイアラー 172 ストレッチのこつ

 ストレッチのコツは①息を詰めず②力を抜いて③ゆっくりと伸ばすことです。ストレッチをしながら顔が赤くなる人は、力が入っている証拠です。伸ばしていくとここらへんからちょっときついかな?と感じるところまで来ます。そこでもう一度余計な力を抜くのです。抜けなかったら少しポジションをゆるめ、1分弱くらいそのままでいましょう。するとさっきより楽に伸びるのを実感できるはずです。

松ぼっくり通信 2021年 7月号

痛みとじょうずにつきあう

先日、ジョギング中に胸の痛みを感じました。心臓?と瞬間思ったけれど、痛みの感じからOKだな!とそのまま走りました。このようにどこかが痛くなっても、だいじょうぶなことはざらです。でもほんとうに心配なときもありますから、そのみわけ方がだいじなのです。

1 痛みは警報装置

冷蔵庫の扉を閉め忘れると、ピーピーとなって知らせてくれます。電子レンジに料理を置き忘れても、鍋が空焚きになってもピーピーなって教えてくれるので、ずいぶん安全・便利になりました。痛みも同じです。虫歯になりかかってますよー!とか、うっかり指先を切っちゃたみたい!とか、昨日は飲みすぎちゃったねー!とか教えてくれるので、痛いところをかばったり休養を取って体の調子を元にもどす手助けをしてくれます。

人体には、からだの内側にも外側にも膨大な数の警報装置がついています。痛みのほかに、温冷感、振動、圧迫、虚血、かゆみ、めまい感などたくさんの装置があり、脳にむかって絶えず情報を送っています。脳はスーパーコンピュータみたいなもので、拾い上げた情報を使って(これはキケン!そっちはほっといて良し)(これは医者に行ったほうがいいかも?)といった判断をするわけです。

コンピューターと同様、脳も経験値がものを言います。だから痛みをむやみに怖がらず、ちょっと考えて判断することが必要です。絶えず修正・バージョンアップをしていくことでどんどん役に立つ脳に変わっていくのです。

2 要相談の痛みのみわけかた

ということで、痛みの見分け方をお教えします。思いっきり簡単にしましたから、体が痛くなったら思い出して使ってみてください。

  • 自分の感覚で中以上の痛みなら相談 軽度なら様子見OK

  • じっとしていても痛みがとぎれず続くなら相談

  • 一瞬~数秒の痛みは様子見OK 10分以上連続してつづくなら相談

  • 吐き気・めまい・マヒ・発熱‣発疹などほかの症状があったら相談

  • きつい痛みだが1回きり 様子見OK

  • 生活に困らないくらいの痛み 様子見OK 長引くなら相談

こんなところでしょうか。誰のからだにも故障しやすいところがあるので、こういった判断を続けるうちに(うん?ちょっと痛いけれど、これくらいならもう少し様子を見ても良さそう)といった実際的な判断ができるようになってきます。

3 隠れた主役は「不安」

じつは痛みの陰に隠れていて、本当はボスキャラ(黒幕)なのが「不安」です。冷静に考えればたいしたことのない痛みだとしても、ひょっとしてなにか悪い病気のサインではないか?このまま置いといたら大変なことになるのではないか?というように不安感が頭の中でぐるぐる回っている状態になると、症状以上につらくなってくるのです。

不安の感じやすさには個人差がありますが、いろいろなストレスで脳がお疲れモードに入っているときはとくに不安を感じやすいようです。昨年からのコロナ騒ぎでは誰もがストレスを感じていますから、元気なときなら気にしないくらいのことでも心配になって、相談に訪れる方が少なくないです。

痛みのことが心配になったら、あわてずに痛みの見分けをしてみましょう。ちょっと冷静に状態を分析する時間を作るだけでも不安が和らぐはずです。

4 痛くてものんびり暮らすのは悪いことではない

はじめにお話しした胸の痛みは、結局肋軟骨(肋骨の一部)の痛みでした。年を重ねるといろんなことが起きます。でも数日で収まったから、そのまま運動もやっています。ふだんでもあちこち痛くなるけれど、これもトレーニングの一部と思ってやっています。

きつめの肉体労働を経験している人、若いときにスポーツをやっていた人はおわかりのように、どこも痛くならず故障もせずにやっていくことはムリです。たまに痛くなるのがあたりまえです。だから多少の故障も織り込みつつ、様子を見ながらやるべきことを続けていく。それで治るものは治っていく。こういうおおらかな考え方でいいわけです。これは内臓の痛みでも共通していますから、体は「治せるものは治している」のです。痛みへの過敏な反応は考え物、まずは落ち着き、痛みの見分けをすることです。

ねりまインクワイアラー 171 音楽は才能、絵は努力

弟から新しく出版した本が送られてきました。本業とは別に音楽評論家として活躍してきた彼、赤ん坊のころ音楽を聴いて、おむつをつけたおしりを揺らして踊っていました。長じてからもドラムをたたいたり、コンピューターで作曲したり、ほんとうに音楽が好きみたいです。音の聞き取りやリズム感など音楽にまつわる才能の9割は遺伝で決まるそう、「三つ子の魂百まで」ってよく言ったものです。

反対に絵の才能は遺伝的には5割くらい、後は努力だそうです。つまり、練習すればだれでも絵はうまくなるということ。わたしはこっちで地味にやっていきましょう。