目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

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松ぼっくり通信 2021年 6月号

松ぼっくり通信 2021年 6月号

トリガーポイントの不思議

 トリガーポイントとは筋肉の中にできた押すと痛むしこりのことです。疲労の蓄積、けがや使いすぎなど筋肉に負担がかかるとできますが、それ自体は悪い病気ではなく、無症状~軽いこり感ですむことが珍しくありません。だから軽く見られがちですが、ときに強い痛みに変わったり、意外な症状が出ることがあります。ほんとうはトリガーポイントが原因なのに、ほかの病気とまちがえられる可能性もあります。今回のお話です。

その1 はなれたところに理由がみつかる

 トリガーポイントそのものはきわめてよくあるもので、毎日の外来でもひんぱんに見つかります。ところが訴えの部位(痛みやしびれ)と原因の部位がはなれているので、患者さんにしてみると「えー⁈」と思うみたいです。たとえば手関節痛の原因が肘の近くにあったり、下肢痛の原因がおしりにあったり、頭痛の原因がくびにあったりします。

その2 多彩な症状

でもまったく予想外のところにみつかるわけではありません。それぞれの筋肉にトリガーポイントができるとどこに痛みが出るのか?一生をかけてこれを調べたトラベル博士というお医者さんがいました。きれいな図版と詳細な説明のあるトリガーポイント・マニュアルという本を書きました。この本を見ればほぼすべての筋肉のトリガーポイントの症状が書いてあるので、私もこれを参考にして診察しています。

 一般的なトリガーポイントは痛みが症状なのですが、それ以外の訴えがみられることがあります。今まで診療で経験したものだけでも、歯の痛み・歯がしみる(頭の筋肉)、めまい・ふらつき(くびの筋肉)、声が出にくい、ものを飲み込みづらい、口がまわりづらい(くびの筋肉)、動悸(胸・背部の筋肉)、腹痛(せなかや腹の筋肉)、足のけいれん(下肢の筋肉)、手足のむくみ感、しびれ感(各所)など多彩です。ほかにも吐き気・嘔吐、不整脈、下痢・便秘の原因になることもあります。

 本格的な病気とのちがいは、①動作・姿勢で症状が変化し②症状のある部位を調べても何も異常がなく、きちっと触診をすると筋肉の中にトリガーポイントが見つかります。そしてトリガーポイントをマッサージ・ストレッチ(ときには注射)で治療して症状が改善すれば、やっぱりこれが原因だったとわかるのです。

その3 私の経験から

 トリガーポイントは一つの筋肉に生じることもありますが、同時にたくさんの筋肉に生じることもあります。私の場合、慢性のアキレス腱炎+かかとの骨折(手術で治療)のリハビリに苦労する中で複数のトリガーポイントに悩まされました。つま先が上がりにくく、足先がしびれて力が入りません。歩いたり、ゆっくり走ることはできるのですが、速く走ろうとすると足が勝手に内側に曲がって、まともに着地をすることができません。けがから2年が過ぎ、(これはもう戻らないのでは?)と思い始めたとき、なにげにふくらはぎの筋肉を押してみたらとても痛いところが見つかりました。

 試しに強くマッサージすると、少し症状が軽くなった気がしました。それからは、毎日あちこち痛いところを探してはマッサージを繰り返すと薄紙をはぐように症状が軽くなりはじめ、まだまだ完ぺきとは言えないものの少しづつ走れるようになってきました。

 炎症・手術で筋肉や関節が固くなったのが原因だから、トリガーポイントは関係ない。筋肉の診たてに自信を持っていた私なのに、いつのまにかそういう思い込みをしていたようです。同じことを外来でもよく経験します。本来の病気やけがの後で故障が残ったとして、その中にトリガーポイントの症状が紛れ込むことがよくあります。故障による筋力低下やバランスの悪さから、二次的に筋肉にトリガーポイントが生じ、本来の故障以上に患者さんを苦しめることがあるのです。

その4 トリガーポイントはだれにでもおきる

 クリニックで受ける相談で見ると、腰痛や肩こりの相談のうち8割はトリガーポイントが原因です。五十肩では9割がトリガーポイントでしょう。膝の痛みは骨・関節が原因のことが多いですが、なかには太ももの筋肉にトリガーポイントがあって膝が痛く感じる人がいます。足がつるという相談では、栄養や腰の問題もありますが、ふくらはぎのトリガーポイントを治すとよくなる方が多いです。

 今これを読んでいるあなたも、試しに膝や太ももの筋肉をあちこち押してみてください。痛いところが見つかったら、潜在的なトリガーポイントの可能性があります。今は症状がなくても、疲れがたまり、ストレスが積もって神経の緊張が高まったり、慣れない仕事をやったり、眠りの浅い日が続いたりすることがきっかけで発症するかもしれません。ふだんからこまめに自分でマッサージをしたり、ストレッチをしたり、有酸素運動をとり入れて、やわらかくしなやかなからだを作ることです。予防は最高の治療、ふだんから体のお手入れをすることがだいじなのです。

ねりまインクワイアラー 170 旧石器人の遺伝子

 日本人はネアンデルタール人由来の遺伝子を比較的多く持っています。この中にはコロナの重症化を防ぐ遺伝子が含まれており、東アジアの人が比較的コロナに強い理由(ファクターX)の一つとして考えられています。

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