目白ヨシノ治療院

目白ヨシノ治療院は新宿区下落、目白駅から徒歩3分、マニュアルメディシンを用いたマッサージ、手技治療,リハビリの専門治療院です。病院では特に問題のなかったつらい症状、日常生活で困る痛み、肩こりや腰痛、首の痛み、またはよく分からない目の奥の痛みや頭痛など機能障害に関する問題の治療を行っています。

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松ぼっくり通信 2024年 9月号

松ぼっくり通信 2024年 9月号

これからの医療は

40年間医者をやってきて超高齢化社会、新型感染症の出現、テクノロジーの爆発的進歩(パソコンの普及からAIの出現まで)を経験しました。未来の人から見ても世の中の仕組みが大きく動いた時代に出会えたのかもしれませんね。これから医療の世界に足を踏み入れたいと考えている皆さんに向けてこの小文を書きました。

1 医療のやりかたが変わってきた

ちょっと前まで医療の仕事はどれだけ命を助けるかが目標でしたが、多くの病気やけがの治療が進歩して長生きする人がとても増えました。そして老化によるからだの故障・不調をどうするかに医療の関心が移っていきました。長生きするためのテクノロジーはさらに進歩するはずですが、結果得られた長い人生をどうやって過ごすのかが問いかけられる時代になってきました。若いころ救急外来で仕事をしていたときはかんたんでした。とりあえず目の前の患者さんをなんとかすることだけを考えれば良かったですから。これからはシンプルな治療からもっと複雑な対応をしなければならない分野までずっと幅広い対応が迫られる時代になっていくでしょう。

これまでの40年以上にこれからの世の中は急速に変化し、それにつれて医療関係者の仕事もどんどん変わっていくと思います。

2 医学だって世の中と連動している

毎日たくさんの患者さんと接していて思うのは、手仕事(自分の手を使って何かを生み出す仕事)をしている人がほんとうに少なくなったことです。料理、建築、美容、造園、接客業の人だって仕事の中身を細かく見ていけば何らかの省力化・オートメーション化が行われています。手間を省けばコストが下がりますから競争力が上がります。世の中の流れとしては当然なのかもしれませんが、このままではむかしながらの職人技がなくなってしまうのではないかと心配になります。

医療の世界はとりわけ高度テクノロジー化が進んでいるように見えますが、最前線の町のお医者さんレベル(大病院でも同じ)ではまだまだ目や舌を調べたり顔色を診たりすることも行われています。しかし最近のスマホができることから推論すると、AIと画像診断システムを組み合わせて患者さんを診るシステムは作れるはずです。腕時計のような装置が触診の代わりとなり脈や自律神経の状態をチェック、あとは指示された必要最低限の血液検査や画像診断をオーダーすれば「ハイ、アナタノ病気ガワカリマシタ!」と教えるマシンができあがるでしょう。

となると、未来の医療関係者(医師も含めて)はAIの指示を受けて動くテクニシャンになるのか、あるいはAIと協調しつつも従来の役割をたもっていくのか気になるところです。

3 AIはツール(道具)それともライバル?

よく言われるのは、AIは与えられた指示にもとづいて問題を解決することは得意だが、まったく新しい発想を生み出すことはできないということです。たしかにそうかもしれませんが、ちょっとしたくふうや発想の転換で生み出されるような発明・改良ならできる気がします。発明の大部分は従来からあるものの組み合わせですから、むしろ既成概念にとらわれないAIのほうが得意かもしれませんね。みんなで作る連歌と同じで、自分一人ではたどりつかないようなおもしろい趣向(発想)がみつかるかもしれません。

AIでもたどりつけないような、ほんとうに新しい概念にたどりつくのはごくかぎられた人たちになるでしょう。ただしAIのアイデアを現実の生活にあてはめていくのは人間なので、AI=あたまのいい相談相手くらいにとらえることもできそうです。イメージで言うと「りくつっぽいドラえもん」かな。

またAIには人間によって生み出された以上、どうしても乗り越えられない壁があります。たとえばいま地球の人口は100億と言われていますが、人口増大が地球温暖化などの環境問題や食料問題にどのように影響しているのか慎重に判断しなければなりません。すこしばくぜんとした言い方に聞こえると思いますが、仕事・食べ物・勉強・休日の過ごし方・家族のあり方・人生の目標など具体的な私たちの生活に大きく影響することでしょう。こういった地球規模の問題はAIでなく人間たちが決めるほかないと思います。

4 これからの医療は

同じように人間の感情もAIが乗り越えられない壁になります。予測不能、おもむくまま、いいかげんではあるがときにこまやか、繊細になる心の動きを扱うのは人間同士でないと難しいでしょう。病院の入り口ではAIが活躍するけれど、そこからはAさん、Bさん、Cさん・・・・・・・一人一人にちがう対応が求められます。治療技術や初期対応では人の仕事が減っていくかもしれませんが、人と付き合い、話し、ときには笑ったり、おこったり、はげましたりする仕事はこれからも続いていくでしょう。未来のお医者さん、医療人に求められるのはたんに「治す」だけでなく、AIと協力しながら「元気にする」「はげます」「安心させる」技術です。でもそれだとむかしのお医者さんとさして変わらないのでは?と思いませんか。そうなのです。時代が変わっても、いつでも根っこは同じなのです。

 

ねりまインクワイアラー 208 蚊が少ない

今年は蚊が少ない気がしますが、暑すぎてボウフラが育つ水たまりが減ったせいでしょうか。でも生物は進化します。そのうちどんなに暑くても元気な蚊が出てくるかもしれませんね。

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